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117 changes: 116 additions & 1 deletion README.md
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@@ -1 +1,116 @@
# WebSocket-Learn
# WebSocket 学習レポ

**題材:** 10人同期のブラウザ蛇ゲーム(Slither.io風)
**対象:** WebSocketほぼ初心者 / 素のJavaScriptで進める
**ゴール:** WebSocketの基本から、リアルタイム同期・状態管理・遅延対策・簡易スケーリングまで理解する

---

## このリポジトリについて

「動いた」で終わらせず、**「なぜそう設計するのか」を説明できる**状態を目指す学習教材です。

初心者が詰まる原因は大体この3つです。

1. HTTPとWebSocketの違いが曖昧
2. 入力と状態を混同する
3. クライアント側に真実を持たせて壊れる

このカリキュラムでは、そこを順番に潰していきます。

---

## 技術スタック

| 分類 | 技術 |
|---|---|
| フロント | HTML / CSS / 素のJavaScript / Canvas API |
| バックエンド | Go + echo + gorilla/websocket |
| 実装では使わないもの | React, TypeScript, Redux, DB |
| 概念として触れるもの | Redis(Step 12 で Pub/Sub の役割のみ解説、実装なし) |

> **注:** Redis は Step 12 で「複数サーバー構成ではどう使うか」を概念レベルで説明します。
> Step 0〜11 の実装コードには登場しません。

理由は単純で、**理解前に道具を増やすと本質が見えなくなるから**です。

---

## ステップ一覧

| Step | テーマ | フォルダ |
|---|---|---|
| Step 0 | HTTPとWebSocketの違いを理解する | [step-00-http-vs-websocket](./step-00-http-vs-websocket/) |
| Step 1 | まずは1本つなぐ(エコーサーバー) | [step-01-echo](./step-01-echo/) |
| Step 2 | 複数人に配る(ブロードキャスト) | [step-02-broadcast](./step-02-broadcast/) |
| Step 3 | メッセージではなく「入力」を送る | [step-03-input](./step-03-input/) |
| Step 4 | サーバーで状態を持つ | [step-04-server-state](./step-04-server-state/) |
| Step 5 | ゲームループを入れる | [step-05-game-loop](./step-05-game-loop/) |
| Step 6 | 蛇ゲームにする | [step-06-snake](./step-06-snake/) |
| Step 7 | 遅延と同期ズレを体験する | [step-07-lag](./step-07-lag/) |
| Step 8 | 補間と予測を入れる | [step-08-interpolation](./step-08-interpolation/) |
| Step 9 | 10人部屋を作る | [step-09-rooms](./step-09-rooms/) |
| Step 10 | 切断・再接続に対応する | [step-10-reconnect](./step-10-reconnect/) |
| Step 11 | 最適化を考える | [step-11-optimization](./step-11-optimization/) |
| Step 12 | 上級発展:1台を超える設計へ | [step-12-advanced](./step-12-advanced/) |

---

## 進め方のルール

各ステップでやることは4つです。

1. **概念理解** — READMEを読む
2. **最小実装** — コードを自分で打ち込む(コピペではなく)
3. **動作確認** — 実際に動かす
4. **言語化** — 以下を自分の言葉で書く

毎ステップ必須のアウトプット:
- 「何を学んだか」
- 「なぜその設計にしたか」
- 「どこがまだ分からないか」
- 「次のステップで何が増えるか」

---

## おすすめの進め方

```
Step 0〜2 → 最速で終わらせる(接続の感触をつかむ)
Step 3〜5 → 本質理解(ここが最重要)
Step 6 → ゲームらしさを入れる
Step 7〜8 → 「リアルタイムの現実」を学ぶ
Step 9〜12 → 設計者の視点に上げる
```
Comment on lines +78 to +84
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⚠️ Potential issue | 🟡 Minor

フェンスドコードブロックに言語指定がなく、Markdown lint(MD040)警告になります。

コード例ブロックに言語を付けておくと、lint 警告を解消できます。

🛠 修正例
-```
+```text
 Step 0〜2 → 最速で終わらせる(接続の感触をつかむ)
 Step 3〜5 → 本質理解(ここが最重要)
 Step 6    → ゲームらしさを入れる
 Step 7〜8 → 「リアルタイムの現実」を学ぶ
 Step 9〜12 → 設計者の視点に上げる

@@
- +text
step-XX-name/
├── README.md # 概念説明・コード解説・練習問題
├── server/
│ └── main.go # Goサーバー
└── client/
└── index.html # フロントエンド

Also applies to: 93-100

🧰 Tools
🪛 markdownlint-cli2 (0.22.0)

[warning] 78-78: Fenced code blocks should have a language specified

(MD040, fenced-code-language)

🤖 Prompt for AI Agents
Verify each finding against the current code and only fix it if needed.

In `@README.md` around lines 78 - 84,
フェンスドコードブロックに言語指定がなくMD040警告が出ているので、該当のバックティック囲み(例: the triple backticks
enclosing the "Step 0〜2…"/the tree example) に言語タグを追加してlintを解消してください(例:
```text)。README.md内の両該当ブロック(先に示した箇所と「Also applies to:
93-100」のブロック)に同様の変更を適用してください。


**一番大事なのは Step 4 と Step 5 です。**
ここが曖昧なまま進むと、用語を眺めるだけになります。

---

## 各ステップのフォルダ構成(Step 1〜11)

```
step-XX-name/
├── README.md # 概念説明・コード解説・練習問題
├── server/
│ └── main.go # Goサーバー
└── client/
└── index.html # フロントエンド
```

---

## 最終到達イメージ

このカリキュラムを終えたら、最低でも以下が言える状態を目指します。

- [ ] WebSocketの接続と基本イベントを説明できる
- [ ] ブロードキャストの仕組みを実装できる
- [ ] 入力送信と状態同期の違いを説明できる
- [ ] サーバー権威型の設計を理解している
- [ ] tickベースのゲームループを実装できる
- [ ] 遅延やカクつきの原因を説明できる
- [ ] 補間の役割を理解している
- [ ] 10人部屋の基本設計を考えられる
- [ ] 切断・再接続・ルーム分割など、現実の問題を意識できる
193 changes: 193 additions & 0 deletions step-00-http-vs-websocket/README.md
Original file line number Diff line number Diff line change
@@ -0,0 +1,193 @@
# Step 0: HTTPとWebSocketの違いを理解する

## このステップの目標

WebSocketが何のために存在するのかを理解する。
コードはまだ書かない。まず「なぜ必要か」を頭に入れる。

---

## 1. HTTPとは何か

HTTPは **リクエスト/レスポンス** モデルです。

```
クライアント → 「このページをください」 → サーバー
クライアント ← 「はい、どうぞ」 ← サーバー
(接続が閉じる)
```

特徴:
- クライアントが「聞く」、サーバーが「答える」の一方通行
- 1回のやり取りで接続が終わる(または Keep-Alive でも原則クライアント発)
- サーバー側から突然クライアントに話しかけることが**できない**

---

## 2. WebSocketとは何か

WebSocketは **全二重通信(Full-Duplex)** です。

```
クライアント ←→ サーバー (接続を維持したまま、どちらからでも送れる)
```

特徴:
- 接続が確立したら、どちらからでも好きなタイミングで送れる
- 接続は明示的に閉じるまで維持される
- オーバーヘッドが少ない(HTTPヘッダーを毎回送らない)

---

## 3. 比較表

| 項目 | HTTP | WebSocket |
|---|---|---|
| 通信の開始 | クライアントのみ | どちらからでも |
| 接続の持続 | 原則1回で終了 | 明示的に閉じるまで維持 |
| サーバーからのプッシュ | できない(工夫が必要) | できる |
| オーバーヘッド | 毎回ヘッダーが発生 | 初回接続時のみ |
| 向いている用途 | Webページ取得、REST API | チャット、ゲーム、株価など |
| 向いていない用途 | リアルタイム更新 | 単純なデータ取得 |

---

## 4. なぜチャットや対戦ゲームでWebSocketが使われるのか

### HTTPだけでチャットを作ろうとすると…

方法1: **ポーリング(Polling)**
```
クライアントが1秒ごとに「新しいメッセージありますか?」と聞き続ける
→ サーバーへの無駄なリクエストが大量発生
→ 「ありません」という返答ばかり
→ リアルタイム性が低い(最大1秒の遅延)
```

方法2: **ロングポーリング(Long Polling)**
```
クライアントが「新しいメッセージが来るまで待ってください」とリクエスト
→ サーバーはメッセージが来るまでレスポンスを保留
→ メッセージが来たらレスポンスを返し、すぐ次のリクエストを送る
→ マシだが、コネクション管理が複雑
```

### WebSocketなら…
```
一度接続したら、サーバーから即座にメッセージをプッシュできる
→ 遅延がほぼない
→ 無駄なリクエストなし
→ 実装がシンプル
```

---

## 5. リアルタイムゲームでWebSocketが有効な理由

蛇ゲームを例に考えます。

```
10人が同時にプレイしている場合:

毎100msごとに全員の位置を更新したい
→ 1秒に10回、10人分の位置データを全員に送る必要がある

HTTPポーリングなら:
- 10人 × 10回 = 毎秒100回のリクエスト
- それぞれにHTTPヘッダーが付く
- 遅延も不規則

WebSocketなら:
- 接続は10本だけ
- サーバーから一方的に位置データをプッシュ
- 無駄がない
```

---

## 6. WebSocketを使っても遅延はゼロにならない

これは大事なポイントです。

```
WebSocketを使っても遅延が発生する理由:

1. 物理的な距離(東京→大阪でも数ms)
2. ルーターや回線の混雑
3. OSのパケット処理時間
4. アプリケーションの処理時間
5. クライアント端末の性能

TCPベースのWebSocketは:
- パケットの順序を保証してくれる(順番通りに届く)
- 届いたことを確認してくれる(再送制御あり)
- しかし、「速く届く」は保証しない
```

つまり、**WebSocketはリアルタイム通信を「可能にする」ものであって、「遅延ゼロを保証する」ものではない**。

後のステップで、遅延があっても「滑らかに見せる」技術(補間・予測)を学びます。

---

## 7. WebSocketを使わなくていいケース

WebSocketは便利ですが、万能ではありません。

| ケース | 適切な技術 |
|---|---|
| ブログの記事を読む | HTTP(普通のREST API) |
| フォームを送信する | HTTP |
| 1時間に1回データを取得 | HTTP(ポーリング) |
| 株価のリアルタイム表示 | WebSocket または SSE |
| チャット | WebSocket |
| オンラインゲーム | WebSocket(または WebRTC/UDP系) |

---

## 8. WebSocketの接続確立の仕組み(補足)

WebSocketは実はHTTPから始まります。

```
1. クライアントがHTTPで「WebSocketに切り替えたい」とリクエスト
→ これを「ハンドシェイク(handshake)」と言う

2. サーバーが「OK、切り替えます」と返す(ステータス 101)

3. 以降はWebSocketプロトコルで通信
```

これをアップグレード(Upgrade)と言います。
だからWebSocketのURLは `ws://` または `wss://`(SSL対応)を使います。

---

## 理解チェック

以下の質問に自分の言葉で答えてみてください。

1. HTTPとWebSocketの一番大きな違いは何ですか?
2. なぜチャットアプリにHTTPポーリングは向いていないのですか?
3. WebSocketを使えば遅延はゼロになりますか?なぜそう思いますか?
4. `ws://` と `wss://` の違いは何ですか?
5. 蛇ゲームでHTTPだけを使うと何が困りますか?具体的に説明してください。

---

## 手を動かす課題

1. HTTPとWebSocketの違いを自分なりの表にまとめる
2. 「蛇ゲームでHTTPだけを使うと何が困るか」を200字以上で書く
3. ブラウザの開発者ツール(DevTools)でWebSocket通信を確認する
- Chrome/Firefox → F12 → Network タブ → WS フィルター

---

## 次のステップへ

Step 1では実際にWebSocket接続を試します。
ブラウザとサーバーを繋いで、文字を送受信してみます。

「概念は分かった、でも実際どう動くの?」という疑問が出てきたら正解です。
それを確かめるのが次のステップです。
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